スタートアップとベンチャー
150語 · 日本語と英語
お金が動く部屋の言葉です。一行ずつ読むタームシート、月で数えるランウェイ、創業者のいないところで進む議論。
どの市場でも英語の形のまま回ります。その一語がいくらに効くかを知っている側が、書いた側です。
ブートストラッププレシードシードラウンドシリーズAシリーズBエンジェル投資家エンジェルシンジケートアクセラレータープライスドラウンドブリッジラウンドエクステンションラウンドインサイドラウンドアップラウンドフラットラウンドダウンラウンドSAFEポストマネーSAFEプレマネーSAFEコンバーティブルノートバリュエーションキャップディスカウント(転換時割引)MFN条項適格資金調達優先株普通株清算優先権参加型優先株非参加型優先株参加上限優先権スタックワラント(新株予約権)ベンチャーデットキャップテーブルプレマネーバリュエーションポストマネーバリュエーションユニコーンフルダイリューテッド希薄化オプションプールオプションプールシャッフルストックオプション行使価格(ストライク)409A評価ベスティングクリフ逆ベスティングシングルトリガーダブルトリガー早期行使83(b)選択希薄化防止条項フルラチェットブロードベース加重平均プロラタ権スーパープロラタ清算ウォーターフォールリキャップ(資本再構成)クラムダウンタームシートデューデリジェンスデータルーム最終契約ノーショップ条項取締役会取締役の席ボードオブザーバー拒否権条項ドラッグアロングタグアロングROFR(先買権)共同売却権(コセール)情報請求権償還請求権ペイトゥプレイサイドレター表明保証LP(有限責任組合員)GP(無限責任組合員)コミットメント総額キャピタルコールドライパウダー管理報酬キャリー(成功報酬)ハードルレートヴィンテージ(組成年)リザーブ(追加投資枠)フォローオン投資目標持ち分べき乗則IRR(内部収益率)MOIC(投資倍率)DPI(分配倍率)TVPI(総価値倍率)Jカーブマークアップ(評価替え)SPV(特別目的事業体)スカウトリード投資家CVC(コーポレートVC)MRR(月次経常収益)ARR(年間経常収益)ランレートACV(年間契約額)ブッキング(受注額)NRR(売上継続率)GRR(総売上継続率)チャーン(解約)ロゴチャーンコホート分析粗利率限界利益ユニットエコノミクスCAC(顧客獲得コスト)LTV(顧客生涯価値)CAC回収期間バーンレートバーンマルチプルネットバーンデフォルト・アライブランウェイルール・オブ・40TAM(獲得可能な最大市場)SAM(実際に狙える市場)SOM(近い将来に取れる市場)ピッチデックウォームイントロディールフロー投資テーゼパートナー会議投資委員会(IC)MVP(実用最小限の製品)PMF(プロダクトマーケットフィット)ピボットトラクションソフトサークルオーバーサブスクライブアロケーション(枠)シグナリングリスク売上マルチプルイグジット流動化イベントLOI(基本合意書)アクハイヤーアーンアウトエスクロー(保留金)セカンダリーテンダーオファーIPO(新規株式公開)ロックアップワインドダウン(清算)
取引の条件
清算優先権Liquidation preference
売却代金から、普通株より先に優先株が取る金額。多くは投資額の何倍という形で決める。
前回のラウンドの2倍優先が、全員の前に立ちはだかっている。
参加型優先株Participating preferred
まず優先分を受け取り、そのうえで残りも普通株と一緒に分け合う優先株。
参加型なので、1,000万ドルを先に抜いたうえで残りの20%も取っていく。
非参加型優先株Non-participating preferred
優先分を取るか、普通株へ転換するかを保有者が選ぶ優先株。両方は取れない。
標準の非参加型1倍。大きいほうを選ぶだけ。
参加上限Participation cap
参加型優先株が受け取れる総額の上限。そこを超えると残りの分配には加わらない。
参加は3倍で上限。そこから先は普通株へ転換したほうが得になる。
オプションプールシャッフルOption pool shuffle
プールをプレマネーの中で作る・広げること。その希薄化を新しい投資家でなく既存の保有者が負う。
プレマネーで12%のプールを求められた。実質こちらの株価が下がる話。
逆ベスティングReverse vesting
創業者は初日から株式を持つが、早く辞めれば未確定分を会社が買い戻せる形。
投資家は創業者二人に、四年の逆ベスティングを付けた。
希薄化防止条項Anti-dilution protection
後から安い株価で発行したとき、優先株の転換価格を調整する権利。
希薄化防止はブロードベース加重平均。想定どおり。
フルラチェットFull ratchet
いちばん厳しい希薄化防止。安い株が少数でも、先の優先株の転換価格を新しい安値まで下げる。
ダウンラウンドでフルラチェットが効けば、普通株は潰れる。
ブロードベース加重平均Broad-based weighted average
よくある希薄化防止の計算式。転換価格は、安く出した新株の量に応じて一部だけ下がる。
ブロードベース加重平均なので、調整はわずかで済む。
プロラタ権Pro rata rights
今の持ち分比率を保てるだけ、次のラウンドを買える既存投資家の権利。
シードのファンドは、シリーズAでプロラタを満額使う。
スーパープロラタSuper pro rata
今の持ち分比率で買える分を超えて、次のラウンドをより多く買える権利。
20%までのスーパープロラタを求められ、断った。
クラムダウンCram down
参加できない・しない既存株主の取り分がほぼ消えるほど、厳しい条件での資金調達。
あの組み方は、先に入った全員に対するクラムダウンだ。
タームシートTerm sheet
投資の主な条件をまとめた短い文書。多くは拘束力を持たず、正式契約の前に署名する。
先方のタームシートは手元にあるが、金曜で期限が切れる。
ノーショップ条項No-shop clause
署名から決めた期間、他の投資家や買い手と交渉しないという拘束力のある約束。
ノーショップは署名から30日間。
取締役の席Board seat
取締役会での議決権を持つ地位。プライスドラウンドのリード投資家に渡すことが多い。
先方は取締役の席を一つと、オブザーバーを一人求めている。
ボードオブザーバーBoard observer
取締役会に出席して資料も受け取るが、議決権は持たない立場。
シードのファンドはシリーズAの後もオブザーバーの席を残した。
拒否権条項Protective provisions
優先株主の同意なしには会社が取れない行為を並べた一覧。
会社の売却は拒否権条項に入っている。つまり先方が握っている。
ドラッグアロングDrag-along right
決められた多数が売却に賛成したら、少数株主も売却に参加させられる権利。
ドラッグアロングがあるので、少数株主は望むかどうかに関わらず付いてくる。
タグアロングTag-along right
大株主が売るとき、少数株主も同じ条件で自分の株を売れる権利。
創業者が売り抜けたときにエンジェルを守るのが、タグアロング。
ROFR(先買権)Right of first refusal (ROFR)
既存株主が外部へ株を売る前に、会社や投資家が先に買える権利。
創業者の売却は、まずROFRを通す必要がある。
共同売却権(コセール)Co-sale right
創業者が売るとき、投資家も自分の持ち分に応じて一緒に売れる権利。
ROFRと共同売却権は、同じ契約書の中にある。
情報請求権Information rights
決められた頻度で財務諸表や近況を受け取れる、投資家の契約上の権利。
先方の情報請求権は、四半期の財務と年次の予算。
償還請求権Redemption rights
一定の期間の後、優先株主が会社に自分の株の買い戻しを求められる権利。
償還請求権は今どき珍しい。草案からは外した。
ペイトゥプレイPay-to-play
後のラウンドで自分の分だけ出資しない投資家の優先株を、普通株へ転換させる条項。
ブリッジにはペイトゥプレイが入る。降りた人は優先権を失う。
サイドレターSide letter
主要な契約書には現れない権利を、一人の投資家にだけ与える別の合意書。
大手のファンドは、MFNと追加報告の入ったサイドレターを持っている。
会社を手放すとき
優先権スタックPreference stack
普通株に金が回る前に支払われる、全ラウンドの清算優先権の合計。
優先権スタックが1億8,000万ドル。1億5,000万ドルで売れば普通株はゼロ。
シングルトリガーSingle-trigger acceleration
一つの出来事、普通は会社の売却で未確定の株式が確定する条項。
CFOは未確定分の半分にシングルトリガーを付けさせた。
ダブルトリガーDouble-trigger acceleration
会社が売られ、そのうえで本人が職を失ったときにだけ未確定分が確定する条項。
経営陣は全員ダブルトリガー。
清算ウォーターフォールLiquidation waterfall
売却代金が、負債・各優先株・最後に普通株へ回っていく支払いの順序。
2億ドルでウォーターフォールを回して、普通株にいくら残るか出して。
イグジットExit
株主が持ち分を現金や上場株に換える出来事。普通は売却か上場。
ファンドが回るには、四年以内のイグジットが要る。
流動化イベントLiquidity event
売却・上場・公開買付など、株主が株を現金に換えられる取引全般。
ここの従業員は、流動化イベントを一度も経験していない。
LOI(基本合意書)Letter of intent (LOI)
正式な契約を作る前に、買収の主な条件を示す文書。多くの部分に拘束力はない。
1億2,000万ドルでLOIを結び、最終確認のデューデリへ入った。
アクハイヤーAcqui-hire
主に人材を得るための買収。製品はその後たたまれることが多い。
あれはアクハイヤー。アプリは一か月で止まった。
アーンアウトEarnout
買収代金の一部を後払いにし、決めた目標に届いた場合にだけ支払う仕組み。
代金の半分は、二年に分けたアーンアウト。
エスクロー(保留金)Escrow (holdback)
売り手の説明が後で違っていた場合に備え、売却代金の一部を一定期間預けておくこと。
代金の一割は、十八か月エスクローに置かれる。
セカンダリーSecondary sale
既存株主から別の相手へ株式を売る取引。代金は会社でなく売り手に入る。
創業者はラウンドと合わせて、セカンダリーで200万ドルを手元に入れた。
テンダーオファーTender offer
多くの既存株主から一つの価格で株式を買い取る、まとめて仕組んだ買付。従業員の現金化に使う。
テンダーオファーを実施し、クリフを越えた人は確定分の五分の一を売れた。
IPO(新規株式公開)IPO
会社の株式を取引所で一般の投資家へ初めて売り出すこと。
IPOの窓は二年閉じたまま。
ロックアップLock-up period
上場の後、内部関係者が株を売ることを禁じられる期間。
ロックアップは11月に明ける。みんなその日を見ている。
ワインドダウン(清算)Wind-down
会社を秩序立てて閉じ、債務を清算し、残ったものを株主へ返す手続き。
ワインドダウンを発表し、1ドルにつき30セントほどが返った。
会社の数字
ARR(年間経常収益)ARR
今有効なサブスクリプション契約の、年あたりの金額。
6月にARR400万ドルを超えた。
ランレートRun-rate revenue
直近の期間の売上を年に引き伸ばした数字。繰り返さない一度きりの売上も混じる。
それはARRでなくランレート。半分は単発のコンサル案件だった。
ACV(年間契約額)ACV (Annual Contract Value)
顧客一社の契約が年あたりに生む売上。契約期間で平均して出す。
エンタープライズのACVは8万ドル、セルフサーブは600ドル。
ブッキング(受注額)Bookings
その期間に署名した契約の総額。請求や入金がいつかは問わない。
第4四半期の受注は好調だったが、多くは来年の請求。
NRR(売上継続率)Net revenue retention (NRR)
既存顧客のまとまりが一年後に払う額。増額・減額・解約をまとめて数える。
NRRは118%。新規ゼロでも既存だけで伸びる。
GRR(総売上継続率)Gross revenue retention (GRR)
NRRと同じ顧客のまとまりを見るが、増額を除いて数えるため100%を超えることはない。
GRRは85%。毎年、既存の一割五分が落ちていく。
ロゴチャーンLogo churn
その期間に失った顧客アカウントの割合。金額でなく社数で数える。
ロゴチャーンは高いが、抜けたのは全部小口。
粗利率Gross margin
売上から、製品を届けるための直接費を引いて残る割合。
粗利率は61%。推論のコストがあるので、ソフトウェアとしては低い。
限界利益Contribution margin
一件・一注文・一顧客について、それに応じて動く費用を全部引いた後に残る額。配送や対応も含む。
配送費まで数えると、注文一件あたりの限界利益は赤字になる。
ユニットエコノミクスUnit economics
顧客一人、注文一件あたりの売上と費用。伸ばすことが価値を生むか壊すかを見る。
全社まとめた数字でなく、都市ごとのユニットエコノミクスを見せて。
CAC回収期間CAC payback period
獲得にかけた費用を、その顧客の粗利で取り戻すのに何か月かかるか。
エンタープライズのCAC回収期間は十四か月。
バーンマルチプルBurn multiple
その期間に燃やした純現金を、同じ期間に増えた純経常収益で割った値。
パートナー会議で引っかかったのが、バーンマルチプル3.5だった。
ネットバーンNet burn
出ていく現金から入ってくる現金を引いた額。毎月、実際に残高が減る分。
値上げの後、ネットバーンは月30万ドルまで下がった。
デフォルト・アライブDefault alive
今の成長と支出のままなら、現金が尽きる前に黒字へ届く状態。
この計画なら、第3四半期にはデフォルト・アライブになる。
ルール・オブ・40Rule of 40
売上の成長率と利益率を足して40以上、というソフトウェアのおおまかな目安。
成長25%で利益率マイナス30%。ルール・オブ・40には遠い。
TAM(獲得可能な最大市場)TAM
考えうる買い手が全員買ったとしたら生まれる売上の全体。
資料のTAMは400億ドル。あの場で信じた人はいなかった。
SAM(実際に狙える市場)SAM
TAMのうち、自社の製品・顧客層・地域で実際に対応できる部分。
SAMは英語圏の中堅企業だけ。だいたい20億ドル。
SOM(近い将来に取れる市場)SOM
SAMのうち、当面のあいだに現実的に取れる範囲。
あの資料でボトムアップに積み上げていた数字は、SOMだけだった。
トラクションTraction
顧客が本当に欲しがっている証拠。投資家が確かめられる利用・売上・成長の形で示す。
トラクションの一枚は、三か月横ばいの利用数だった。
売上マルチプルRevenue multiple
年間売上の何倍かで評価額を表す言い方。会社どうしを比べるために使う。
先方はARRの30倍を求めるが、上場している同業は6倍で取引されている。
ファンドの仕組み
LP(有限責任組合員)Limited partner (LP)
ベンチャーファンドへ出資する側。年金・大学基金・資産家など、その資金をファンドが運用する。
あそこのLPは、ほとんどが大学の基金。
GP(無限責任組合員)General partner (GP)
ファンドを運営し、投資判断を下し、その成績に責任を負うパートナー。
GPは二人、どちらも承認しないと小切手は出ない。
コミットメント総額Committed capital
LPがファンドへ出すと約束した総額。前払いでなく、ファンドの期間を通じて呼び出される。
コミットメント総額で2億ドルのファンド。呼び出し済みは三分の一ほど。
キャピタルコールCapital call
約束した資金の一部を送るよう、ファンドがLPへ出す請求。
先にキャピタルコールを回す必要があって、送金が遅れている。
ドライパウダーDry powder
ファンドがまだ投資しておらず、これから出せる約束済みの資金。
市場にドライパウダーは多いが、動いている分は少ない。
管理報酬Management fee
人件費と運営費に充てるため、ファンド額のおよそ2%を毎年運用会社が受け取る手数料。
最初の五年は、コミットメント総額に対して手数料がかかる。
キャリー(成功報酬)Carried interest
LPが元本を回収した後、ファンドの利益のおよそ20%がパートナーへ渡る取り分。
あのチームは八年、キャリーを一度も見ていない。
ハードルレートHurdle rate
パートナーがキャリーを取る前に、ファンドがLPへ返さねばならない最低限の利回り。
あのファンドには8%のハードルレートがある。
ヴィンテージ(組成年)Fund vintage
そのファンドが投資を始めた年。同じ時期に始まった他のファンドと比べるために使う。
2021年ヴィンテージなので、初期の評価はやたら見栄えがした。
リザーブ(追加投資枠)Reserves
既存の投資先を後のラウンドで支えるため、初回の出資とは別に取り置く資金。
初回1ドルにつき、追加でおよそ1ドルをリザーブしている。
フォローオン投資Follow-on investment
既存の投資家が、同じ会社の後のラウンドで追加に出資すること。
シリーズBではフォローオンしたが、Cは見送った。
目標持ち分Ownership target
ファンドが最終的に持ちたい会社の持ち分比率。必要な出資額の大きさを決める。
あそこは12%の持ち分が要る設計なので、小切手も大きくなる。
べき乗則Power law
ごく少数の投資が、ベンチャーファンドのリターンのほとんどを生む構造。
べき乗則。一社がファンドを返し、残りは端数。
IRR(内部収益率)IRR
資金がいつ出て、いつ戻ったかまで織り込んで出す、投資の年率換算の利回り。
二年目に評価替えが乗ったので、IRRは立派に見える。
MOIC(投資倍率)MOIC
投じた資金が今いくらになったかを倍率で示す指標。時間の長さは考えに入れない。
MOICは3倍。ただし到達まで九年かかった。
DPI(分配倍率)DPI
LPが払い込んだ額に対し、ファンドが実際に現金で返した割合。
評価額はきれいだが、DPIはまだ0.5を下回っている。
TVPI(総価値倍率)TVPI
実現した現金と今の評価額の合計を、LPの払込額と比べた倍率。
TVPIは2.4倍、そのほとんどはまだ未実現。
JカーブJ-curve
手数料や償却で序盤は損失が並び、リターンが後から来るファンドの形。
まだJカーブの中。だから三年目は数字が悪く見える。
SPV(特別目的事業体)SPV
一つの案件のために複数の投資家をまとめ、資本表へ一行として載せる器。
200万ドルの枠を取るため、彼はSPVを組んでいる。
ラウンドの集め方
プレシードPre-seed
売上がまだ立たないうちに集める、いちばん早い外部の調達。金額は小さいことが多い。
試作と二社の共同開発先だけで、60万ドルのプレシードを集めた。
シードラウンドSeed round
まとまった額の最初のラウンド。製品を仕上げ、最初の有料顧客を見つけるために調達する。
シードは300万ドル、初回投資しか書かないファンドがリードした。
シリーズASeries A
シードの次。多くは株価を付け、取締役を出すファンドがリードし、回り始めた事業を伸ばす規模。
ARR200万ドルほどで、1月にシリーズAを取りに行く。
シリーズBSeries B
シリーズAの次。需要が確かめられた事業を広げるために調達する。
シリーズBは製品でなく、ほとんど営業の採用のための調達だった。
エンジェルシンジケートAngel syndicate
一人のリードの後ろに個人が資金を持ち寄り、資本表には一行として載る形。
彼女のシンジケートは九日で40万ドルをまとめた。
プライスドラウンドPriced round
株価と評価額を今決め、投資家がその場で株式を受け取る調達。
SAFEをこれ以上積むより、プライスドラウンドにしたい。
ブリッジラウンドBridge round
大きなラウンドの間に挟み、次の調達までを持たせるための資金調達。
ブリッジで半年伸びる。その間に数字を上げる。
エクステンションラウンドExtension round
前回と同じ条件で追加に集める調達。時間を足すか、投資家を足すために使う。
シリーズAを付けず、同じキャップでシードのエクステンションをした。
インサイドラウンドInside round
新しい外部のリードでなく、既存の投資家だけで出す調達。
インサイドラウンドで、シードの二社が分け合って埋めた。
SAFE
今払い込み、株式は後日、通常は次のプライスドラウンドで受け取る短い契約。
キャップ1,000万ドルのSAFEで25万ドルを入れてもらった。
コンバーティブルノートConvertible note
返済でなく後のラウンドで株式に変わる借入。通常は利息と満期日が付く。
ノートの満期は3月。転換するか、条件を組み直すかになる。
ベンチャーデットVenture debt
ベンチャー投資を受けた会社への融資。利息を付けて返し、多くはワラントが付く。
シリーズBの上にベンチャーデットを重ねて、計画を延ばした。
リード投資家Lead investor
条件を決め、主なデューデリを回し、そのラウンドの多くを引き受ける投資家。
150万ドルはソフトサークルできたが、リードがまだいない。
ピッチデックPitch deck
創業者が投資家へ会社を説明するために使う資料。
まず資料を送ってもらって、面談はその後で。
ウォームイントロWarm intro
その投資家が既に知っていて信頼している人からの紹介。
投資先の創業者を通じて、彼女はパートナーへのウォームイントロを得た。
ソフトサークルSoft circle
署名の前に、ラウンドへ参加すると口頭で示された内諾。
200万ドルはソフトサークルできたが、署名済みの書類は一枚もない。
オーバーサブスクライブOversubscribed
会社が集める額より、投資家が入れたい額のほうが多いラウンド。
応募超過になったので、全員の枠を削った。
アロケーション(枠)Allocation
一人の投資家がそのラウンドで取ることを認められた金額。
うちの枠は100万ドルから40万ドルへ削られた。
シグナリングリスクSignaling risk
名の知れた既存投資家が追加出資を見送ると、何か問題があると市場へ伝わってしまう危うさ。
シリーズAを見送られたら、シグナリングリスクは他の全員まで付いてくる。
書面と株式の種類
MFN条項MFN clause
後から同じ種類の証券で誰かに良い条件が出たら、それを自分にも適用できるとする条項。
キャップも割引もない、MFNだけのSAFEに署名した。
適格資金調達Qualified financing
転換社債や旧型SAFEに定めた基準額を超えるラウンド。ここに達すると自動で株式へ転換する。
200万ドルを超えれば適格資金調達で、ノートは転換する。
優先株Preferred stock
投資家が買う株式の種類。清算優先権など、普通株にはない権利が付く。
今回のラウンドは全部シリーズAの優先株。
普通株Common stock
創業者と従業員が持つ基本の株式。売却では優先株の取り分が済んだ後、最後に配られる。
創業者もオプションプールも、全部普通株。
ワラント(新株予約権)Warrant
決まった価格で後から株式を買える権利。ベンチャーデットに付いたり、条件の上乗せに使われる。
貸し手は利息に加えて1%分のワラントを取った。
409A評価409A valuation
米国企業の普通株を第三者が評価するもの。税務上、オプションの行使価格を決めるために使う。
新しい409Aが返ってくるまで、付与は出せない。
リキャップ(資本再構成)Recapitalization
種類株と持ち分を組み直すこと。優先株を普通株へ転換し、資本表を作り直すことが多い。
救済の資金には、全面的なリキャップが付いてきた。
最終契約Definitive agreements
タームシートの後に署名する、実際に出資や売却を成立させる拘束力のある契約。
タームシートは早かったが、最終契約に六週間かかった。
表明保証Reps and warranties
会社の状態についての記述で、創業者や会社が契約上その正しさを引き受けるもの。
弁護士が一週間かけていたのは、知財まわりの表明保証。
よく使う言葉
ブートストラップBootstrapped
外部の投資家を資本表に入れず、売上と創業者の自己資金だけで伸ばしてきた状態。
六年間ブートストラップだったので、シードが資本表に載る最初の外部だった。
ユニコーンUnicorn
調達ラウンドで10億ドル以上の値が付いた未上場企業。市場でなく投資家が付けた印。
エクステンションで書類上はユニコーン。売上はその場に止まったまま。
MRR(月次経常収益)MRR
ARRを年換算する元になる数字。デューデリでは月ごとに並べて見せるよう求められる。
MRRの推移は四か月横ばい。それでも資料の冒頭は「成長」だった。
チャーン(解約)Churn
その期間に離れていった顧客や売上。既存が積み上がるか、毎月埋め直すだけかを分ける線。
チャーンを差し引くまでは、成長しているように見えていた。
コホート分析Cohort analysis
顧客を入ってきた月ごとに分ける見方。平均でなく、集団ごとに継続と回収を読める。
コホート分析では、回収できたのは最初の二か月分だけだった。
CAC(顧客獲得コスト)CAC
営業とマーケの費用を、それが獲得した顧客数で割った額。回収期間やLTV比の分母になる。
デューデリで人件費まで入れて計算し直したら、CACは倍になった。
LTV(顧客生涯価値)LTV
一人の顧客が取引の全期間に生むと見込む粗利。デューデリでいちばん争われる前提。
LTVは七年続く前提だったが、コホートは十一か月分しかなかった。
バーンレートBurn rate
会社が毎月現金を減らしていく速さ。誰が聞くかで、総額で言うか差引で言うかが変わる。
デューデリでは、直近十八か月のバーンレートを月ごとに求められた。
ランウェイRunway
今のバーンで現金が何か月もつか。調達の時期はこの数字から逆算する。
ランウェイ五か月で来たので、タームシートは早く動いた。
MVP(実用最小限の製品)MVP
会社が資金と売上を取りに行く、いちばん小さな動く版。プレシードではこれしか見るものがない。
プレシードは、共同開発先の二社が既に払っていたMVPに入った。
PMF(プロダクトマーケットフィット)Product-market fit
シリーズAの値付けの前提になる状態。押し出す速さより、需要が製品を引っ張る力が強い。
パートナー会議は、継続率の曲線がPMFを示しているかで割れた。
ピボットPivot
既に調達した資金の上で、製品や市場を変えること。普通は誰よりも先に取締役会が聞く。
シードで二回ピボットしたが、シリーズAの説明で一回目の話は出なかった。
そのほか
エンジェル投資家Angel investor
個人の資金を初期の会社へ入れる人。小口の出資が中心。
決済業界のエンジェルが二人、5万ドルずつ入れてくれた。
アクセラレーターAccelerator
少額の出資・助言・デモデーを、株式と引き換えに提供する期間限定のプログラム。
アクセラレーターの期を終えて、二週間後にラウンドを閉じた。
アップラウンドUp round
前回より高い株価で行う調達。
きれいなアップラウンドで、評価額はおおよそ倍になった。
フラットラウンドFlat round
前回と同じ株価で行う調達。
シリーズAとまったく同じ株価で、フラットラウンドを閉じた。
ダウンラウンドDown round
前回より低い株価で行う調達。既存の持ち分はより強く薄まる。
ダウンラウンドで、評価額は4億ドルから1億5,000万ドルへ戻された。
ポストマネーSAFEPost-money SAFE
キャップをSAFE全部が転換済みとして数える形。持ち分は署名時に固定され、後から足すSAFEは創業者を薄める。
ポストマネーSAFEなので、SAFEをいくつ増やしても彼らの5%は動かない。
プレマネーSAFEPre-money SAFE
他のSAFEが転換する前でキャップを数える古い形。新しいSAFEは創業者に加え、先に入った側も薄める。
これは2018年のプレマネーSAFE。手形を足すたびに持ち分の計算が動く。
バリュエーションキャップValuation cap
SAFEや転換社債が転換する評価額の上限。初期の投資家が得られる最良の価格を決める。
先方は800万ドルのキャップを求め、こちらは1,200万ドルで返した。
ディスカウント(転換時割引)Discount (conversion discount)
SAFEや転換社債の資金が転換するとき、次のラウンドの株価から引いてもらえる割合。
キャップはなしで、割引が20%だけ。
キャップテーブルCap table
誰が何をどれだけ持つかの記録。株式・オプション・転換証券を保有者と種類ごとに並べる。
キャップテーブルはPDFでなく、表計算で送って。
プレマネーバリュエーションPre-money valuation
新しい投資が入る前の、合意した会社の価値。
プレマネーは2,000万ドル、先方は500万ドル入れる。
ポストマネーバリュエーションPost-money valuation
プレマネーに新しい投資額を足した値。投資家の持ち分比率はこれを分母に計算する。
ポストは2,500万ドル。だから500万ドルはちょうど20%。
フルダイリューテッドFully diluted
オプション・ワラント・転換証券をすべて行使済みとみなして数えた株式数。
発行済みでなく、フルダイリューテッドの持ち分で言って。
希薄化Dilution
新しい株を出したときに、既存の保有者の持ち分比率が下がること。
創業者はラウンドとプールの積み増しで、合わせて22%ほど希薄化した。
オプションプールOption pool
従業員に配るために取り置いた株式。まだ誰にも付与されない段階で資本表に載る。
プールの残りは4%、これから幹部を三人採る。
ストックオプションStock option
権利が確定した後、決まった価格で自社株を買える権利。
彼女は9セントで4万株分のストックオプションを持っている。
行使価格(ストライク)Strike price
オプションの保有者が一株を買える、固定された価格。
彼の行使価格は1.20ドル、直近のラウンドで普通株は4ドルが付いた。
ベスティングVesting
株式を一度に受け取らず、時間や達成条件に応じて少しずつ自分のものにしていく仕組み。
四年ベスティングが標準で、最初の一年を過ぎたら毎月。
クリフCliff
何も確定しない最初の期間。終わった時点で最初の分がまとめて入る。
十か月で辞めた。一年のクリフの前だったので、何も残らなかった。
早期行使Early exercise
権利確定の前にオプション分の株式を買うこと。未確定部分は会社が買い戻せる。
彼女は入社二日目に、付与された分を全部早期行使した。
83(b)選択83(b) election
未確定株式を受け取ってから30日以内に出す米国の税務申告。確定時でなく付与時に課税される。
83(b)は出した?期限は金曜まで。
デューデリジェンスDue diligence
出資や買収の前に、財務・法務・技術・顧客を投資家や買い手が調べること。
デューデリで、知財の譲渡に署名していない業務委託が二人見つかった。
データルームData room
デューデリのとき、投資家や買い手へ渡す会社資料をまとめた保管場所。
資料は全部データルームにある。クローズまで先方も見られる。
取締役会Board of directors
株主が選び、会社を監督して重要な決定を承認する合議体。
あの採用は取締役会の承認が要る。あなたの一存では決まらない。
マークアップ(評価替え)Markup
投資先の評価額が上がること。後のラウンドが高い株価で行われたときに起きる。
あれは書類上のマークアップ。誰も一株も売っていない。
スカウトScout
ファンドの資金を預かって初期の小口投資を行い、案件をファンドへ流す個人。
最初の小切手はファンド本体でなく、スカウトから出た。
CVC(コーポレートVC)Corporate venture capital (CVC)
大企業が運営する投資部門。財務のリターンに加え、戦略上の狙いでも投資する。
CVCは投資と一緒に、事業提携の契約も束ねたがった。
ディールフローDeal flow
ファンドのもとへ流れてくる投資案件の流れと、その質と量。
シードでのディールフローは、この街でいちばん良い。
投資テーゼInvestment thesis
そのファンドが何に投資するのかの筋道、または個別案件を進める理由。
あそこの投資テーゼの外。インフラしかやらない。
パートナー会議Partner meeting
ファンドのパートナーが案件を聞き、どれを先へ進めるかを決める定例の場。
月曜のパートナー会議の議題に入っている。
投資委員会(IC)Investment committee (IC)
ファンドや機関の中で、投資を承認するか見送るかを正式に決める組織。
担当パートナーは賛成だが、まだICを通す必要がある。


